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真っ赤なルビーで傷をつけてよ|朗読台本・フリー台本
深い海のコバルトブルー、鮮やかに茂るグリーン、キラキラ光を弾くゴールド、エトセトラエトセトラ。
奏(かなで)ちゃんの指を彩る色は会うたびに変わっていく。
「今度こそ運命の人」なのだと、新しい色をお供に嬉しそうに彼女は語る。そしてまた、違う色を探すのだ。
もう何回目だか数えるのにも飽きてきて、彼女のまっさらの爪を見た夜に酔っぱらったと嘘をついた。
優しい奏ちゃんはうそつきな私を優しく介抱してくれて、おんなじベッドで朝まで眠った。
空気の読めないアラームを止めてそっと寝顔を盗み見る。運命なんてあるわけないよ。
試しに騙されてみたらいい。ポケットの中、綺麗なリボンで包まれた四角い箱の中身を引っ張り出す。
まっさらな爪にのせる色は、嘘つきの色。
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